福岡県飯塚市の養子の男児(当時9)を虐待死させ、鹿児島市のホテルで長男(同3)と長女(同2)を殺害したとして、殺人や傷害致死などの罪に問われている無職田中涼二被告(42)の裁判員裁判が20日、福岡地裁(武林仁美裁判長)で始まった。田中被告は長男、長女への殺人罪は認めたが、養子に対する傷害致死罪については「私の暴行で死んだかはわかりません」と一部否認した。
この日の裁判には、田中被告の前妻も出廷。田中被告が大翔君に課していたルールについて証言しました。記事後半で紹介しています。
起訴状などによると、田中被告は昨年1月9日ごろから2月16日ごろの間、飯塚市の自宅などで、養子の大翔(ひろと)君の太ももを殴るなどして外傷性ショックで死亡させ、同25日まで自宅に死体を遺棄したとされる。
翌26日には、逃走先の鹿児島市のホテル客室で、長男の蓮翔(れんと)ちゃん、長女の姫奈(ひな)ちゃんを絞殺したとされる。
田中被告は2人を殺害後、自殺しようと4階の客室の窓から飛び降りたが、一命を取り留めた。この日の初公判には、車いすに乗ったまま、上下黒色の半袖半ズボン姿で入廷した。
検察側は冒頭陳述で、田中被告が大翔君への虐待が発覚するのを恐れ、学校を休ませ、担任にうその説明をしたと指摘。大翔君は肺炎を患っていたが、重篤ではなく、虐待が死に至った原因などとした。
弁護側は、大翔君が亡くなる数日以上前から元気がなく、暴行で死亡したことを否定。一方で、3人への愛情はあったが、育児のストレスで暴行したと説明し、情状酌量を求めた。
公判では、証人として田中被告の前妻が出廷。田中被告との間に蓮翔ちゃんと姫奈ちゃんが生まれると、田中被告が連れ子の大翔君に厳しくなったという。
ルールとして、午前6時半の目覚まし時計なしの起床や、午後8時半の就寝を課すなどし、それを破ると「無理やり部屋に閉じ込めた」などと証言した。(古畑航希)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment