ゴーグルを着けるだけで、まるで別の世界が目の前に広がるVR。ゴーグル一つでバーチャルの世界に飛び、幸せに働くことができれば、仕事の生産性も向上するのでしょうか…。
そんなディストピアのような研究が、ロシア・モスクワの牧場で始まっています。
モスクワ州農業・食糧省は11月25日、牛に装着するためのVRヘッドセットを開発したと発表。牛乳の品質や量を向上するために、酪農にVRを導入し、牛に仮想現実(VR)を体験させるという実験を行ったそうです。
オランダのワーゲニンゲン大学の研究では、牛の飼育環境は健康に大きな影響を与え、その結果、生産される乳の品質と量にも影響があるとされています。スコットランドでは、牛の感情がポジティブなものになると、牛乳の生産にもポジティブな効果が表れるという報告もあるといいます。
こうしたことから、牛をマッサージするロボットを導入したり、牧羊ロボットを使って牛を運動させたり、クラシック音楽を聴かせたり…。牛をリラックスさせるための取り組みは世界各地で行われています
今回のVRヘッドセットは、牛の視界に合わせて特別に開発されたもので、装着すると穏やかな夏の牧草地を体験できるそうです。
最初の実験の結果、VR効果で牛の不安が減少し、感情が全体的にポジティブなものになりました。モスクワ州農業・食糧省は今後、牛乳の生産量が増加するかどうかを実験する方針です。効果が確認できれば、「プロジェクトの規模を拡大し、国内の酪農生産の近代化を促進する」としています。
中村 かさね (Kasane Nakamura)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース