伊藤和行
障害のある子どもが通う特別支援学校の設置基準案を文部科学省が初めてまとめ、公表した。入学者の増加で教室不足が課題となっており、基準を設けることで子どもの数に応じた教室数の確保を図る。案について、6月26日まで意見公募(パブリックコメント)を行う。
設置基準は最低限備えるべき校舎面積や施設を示したもので、小中高校は設けられているが、特別支援学校にはなかった。しかし昨年度の在籍者は全国の1149校で計約14万5千人と、10年間で1・2倍に増加。文科省の2019年度の調査では、教室をパーティションで二つに分けて使うなど、約3千教室が不足していることが判明した。同省の有識者会議が設置基準をつくるよう求めていた。
文科省の案は校舎面積を、視覚、聴覚、知的、肢体不自由、病弱の障害の種類によって区分けし、在籍人数が増えるほど広くなる算定式を示した。
1クラスの上限人数は、幼稚部が5人、小学部と中学部は6人、高等部は8人と示した。施設は、自立生活するための練習を行う「自立活動室」を設けることも求めた。文科省は設置基準が正式に決まれば省令を改正し、来年4月から施行する。現存する学校は当面、現行維持も認められるが、基準を満たすよう努力義務を課されるという。(伊藤和行)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル