福岡市立の特別支援学校が、廊下に生徒を入れるための小部屋を段ボールで作っていたことが市教委などへの取材でわかった。中学部に通っていた男子生徒は自分の意思に反してこの小部屋に入れられたとして不登校になったという。生徒の母親は「人権侵害だ」として近く福岡県弁護士会に人権救済を申し立てる。
関係者によると、生徒は注意欠陥・多動性障害(ADHD)と知的障害があり、この支援学校には2019年夏、別の支援学校から転校した。生徒が家族に小部屋の存在を訴えて発覚。学校側は、生徒が教室で暴れることがあり、小部屋を設けたと説明したという。生徒はその後不登校になり、市外に転校した。
市教委発達教育センターは朝日新聞の取材に、生徒が転校してきた前後に小部屋を置いたと認めた上で「小部屋は気持ちを落ち着かせる場所だが、この生徒専用ではない。この生徒が小部屋を使ったこともなかった」と説明。人権侵害との訴えについては「申し立ての内容を把握しておらず答えられない」とした。
弁護士会が人権侵害と認定した場合、市教委に警告や改善を求める勧告などを出せるが、法的拘束力はない。(山野健太郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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