特別警報級の台風10号 脅威のわけは熱帯並みの海水温

 非常に強い台風10号が、九州・沖縄など西日本に接近、上陸する見通しになっている。気象庁は、戦後史に残る甚大な被害を出した伊勢湾台風に匹敵する「特別警報級」になっているとして、厳重な警戒と対策を呼びかける。なぜ、これほどの脅威的な台風となったのか。

 気象庁の発表によると、4日午後3時現在の台風10号の中心気圧は925ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は50メートル。ヘクトパスカルは気圧を表す単位で、値が小さいほど台風の風は強くなる。4日午後の予想では、5日午後には915ヘクトパスカルまで発達する見通しで、最大風速は55メートルに達する。これは走行中のトラックが横転したり、樹木が倒れたりするレベルを超える。

 京都大防災研究所の竹見哲也准教授(気象学)は「過去最強クラスであることは間違いない。日本近海が熱帯並みの海水温になっていることで、台風が猛烈な勢力に発達、維持したまま近づいている」と話す。 伊勢湾台風の上陸時の中心気圧は929ヘクトパスカルだった。現在、シンガポールなど熱帯地域の海面水温は30度前後で推移しているが、これが日本近海まで広がっている。

 今夏は記録的な暑さとなり、8…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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