指定暴力団の山口組(神戸市)と神戸山口組(同)の活動を厳しく制限する特定抗争指定から7日で3年を迎えた。双方とも、定められた区域内での組事務所の使用などが禁じられ、組織の弱体化が進む。一部で傘下組織の離脱の動きが相次いでおり、警察当局は離脱組織にも規制をかけるべく対応を検討する。
「なるようになるしかない。組員の高齢化もあり、組を維持するだけでも大変だ」。ある組長は特定抗争指定後の現状をそう話す。別の暴力団関係者も「固定資産税など事務所の維持費は変わらないのに、事務所が使えなくなり活動がしにくい。指定の影響は大きい」と言う。
山口組と神戸山口組が、特定抗争指定暴力団に指定されたのは2020年1月7日。15年の山口組分裂で神戸山口組が結成されて以降、双方の組員が死傷する抗争事件が相次いでいた。
特定抗争指定は暴力団対策法に基づき、抗争の防止が狙いだ。定められた警戒区域内で、組員の集合や事務所の立ち入り、対立する組事務所周辺をうろつくことなどが禁じられる。現在は神戸や大阪、名古屋、京都各市を含む9府県16市町が警戒区域となっている。
大阪府警によると、警戒区域の大阪市内にある双方の事務所は、この3年間で44カ所から31カ所に減った。府警関係者は「使えない事務所の維持が重荷となり、事務所を閉鎖して散り散りになった組は少なくない」と明かす。兵庫県内の神戸市や姫路市などの警戒区域でも事務所は28カ所から20カ所に減った。
ある捜査関係者は「目立った…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル