厚生労働省がまとめた社会医療診療行為別統計(2018年)の集計結果によると、「特定機能病院」が入院外の患者に算定した診療報酬は1日当たり2641.1点で、08年の1386.5点から10年間で1.9倍とほぼ倍増した(いずれも6月審査分)。診療行為別では、注射1件当たりの点数が約4.5倍に増えており、従来は入院で行っていた化学療法の外来への切り替えが進んだ可能性がある。【松村秀士、兼松昭夫】
これに対し、1回の病気やけがの治療で特定機能病院に通った日数を示す入院外の「1件当たり日数」は18年が1.39日、08年が1.31日とほとんど変化していなかった。最終的に、治療1件当たりの診療報酬は18年が3667.6点、08年が1817.2点とこの間に倍増した。「1日当たり点数」は診療報酬の単価に該当し、「1件当たり日数」と共に医療費を決定付ける要素の一つとされる。
厚労省の集計によると、特定機能病院が18年に入院外で行った診療行為ごとの単価は注射が870.1点、検査が479.1点、投薬が406.3点などだった。これらのうち注射の単価は、08年の206.3点から10年間で4.2倍に上昇した。
特定機能病院、精神科病院、療養病床がある病院を除く「一般病院」での入院外の診療単価も、18年が1621.5点、08年が1055.0点と5割増えた。
特定機能病院以外を含む外来化学療法加算の算定は18年が計29万224回、08年が計11万4120回と2.5倍に増えていた。
■オンライン診療料の算定、改定直後に月65回
社会医療診療行為別統計では、国のナショナルデータベースを使って6月審査分の診療報酬明細書(レセプト)と調剤報酬明細書(調剤レセプト)の点数などを厚労省が毎年集計している。14年までは「社会医療診療行為別調査」という名称だった。医療機関はレセプト1枚で1カ月分の診療報酬を患者ごとに請求しており、どのような診療行為を患者が受けたかなどがそこから分かる。
18年分の集計結果によると、従来の一般病棟7対1入院基本料に相当し、この年の診療報酬改定で新設された急性期一般入院料1の算定は95万957回だった。これに対し、改定前の7対1入院基本料は前年6月に103万8989回算定されていた。
急性期一般入院料1に次いで点数が高い入院料2の18年の算定は3万314回だった。入院料3の算定はなかった。
「かかりつけ医機能」を持つ医療機関による質の高い初診への評価として18年度の診療報酬改定で新設された機能強化加算は178万3064回算定されていた。情報通信機器を使ってオンライン診療を行った際に算定する「オンライン診療料」は、18年5月の1カ月間に65回しか算定されていなかった。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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