小川崇、初見翔
JR東日本は5日、一年で最も混雑する繁忙期の指定席料金を来春から引き上げると発表した。現在は通常料金と比べて繁忙期は200円の増額、閑散期は200円の減額で400円の変動幅があるが、最大600円に拡大する。価格差を広げてピークをずらし、利用の集中を抑えるという。
JR東は現在、新幹線や特急などの指定席料金を、通常期も含めて3段階に分けている。ゴールデンウィークやお盆休み、年末年始などが繁忙期にあたり、6、9月などの一部期間を閑散期としている。
来年4月以降は、お盆休みなどで新たに「最繁忙期」を設けて通常期より400円値上げする。繁忙期や閑散期の料金設定に変更はない。一方、7~8月中の繁忙期を少なくしたり、閑散期を新たに増やしたりして、値上げが46日、値下げが51日になるようにしたという。対象路線には、直通運転がある北海道新幹線や北陸新幹線も含まれる。
深沢祐二社長は会見で「増収を狙っているわけではない」と説明し、全体の総収入は変えない方針という。「ピークをシフトすることでコロナの3密対策にもなる。長期的にはコスト削減も見込む」と狙いを語った。
JR西日本は、北陸新幹線以外の特急料金については、来春の改定は見送るものの、引き続き導入に向けた検討を続ける。JR九州は8月、在来線の特急料金について繁忙期の値上げ幅を拡大した。新幹線については「検討しているが来春のダイヤ改定には間に合わない」。JR東海の金子慎社長は9月下旬の会見で料金改定について「検討している」とする一方、「各社必ずしも同じ内容で進めなくてはいけない内容ではない」と述べ、JR東日本とは料金の変動幅などが異なる改定となる可能性を示している。(小川崇、初見翔)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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