高嶋将之、岩田恵実
特殊詐欺被害防止月間の11月に入ったのに合わせ、警視庁は1日、東京都内各地でイベントを開いた。例年、年末にかけて被害が増加傾向にあるといい、同庁は注意を呼びかけている。
港区のJR新橋駅前では、同庁犯罪抑止対策本部や愛宕署の警察官ら約30人が、「STOP!詐欺」広報大使でプロ野球日本ハムの新庄剛志監督が表紙に載る小冊子を配布した。
同庁は居酒屋大手「ワタミ」(東京)と連携し、高齢者の利用が多い同社の弁当宅配サービス「ワタミの宅食」の利用者宅に、小冊子計1万6千部を配った。同署の鈴木俊明署長は「子ども世代から親や祖父母に注意を呼びかけてもらいたい」と話した。
新宿区の聖徳記念絵画館であった四谷署のキャンペーンでは、タレントの「スギちゃん」が同署の一日広報大使に就任。「手口が巧妙になっている。こんな話はないと疑ってかかる、みんなに相談するのが一番大事だぜ」と訴えた。
医療費が戻ると言って現金を振り込ませる還付金詐欺の増加について対策を聞かれ、スギちゃんは「医者に行っていません、と言う。自力で治しているから。ワイルドだぞって言ってやるぜ」と言った。
今年1~9月に都内で認知された特殊詐欺の被害は計2366件で、総額は約47億5千万円。手口別では還付金詐欺の件数が最も多く693件約9億7千万円で、次いでオレオレ詐欺の630件約18億4千万円が続いている。(高嶋将之、岩田恵実)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル