「あの日を忘れない」という思いとともに、阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼する集いが16日夕刻、宝塚市の宝塚大橋付近であり、約150人の市民らが参加した。
武庫川にかかる橋のたもとの中州では、午後3時ごろから石を積んでつくった「生(せい)」のオブジェを懐中電灯でライトアップする準備が始まった。午後5時ごろ、懐中電灯を点灯。同じころ、橋の南側にある「生」の文字の金属製モニュメントには市内の犠牲者数と同じ119本のろうそくがともされた。
そして地震発生時刻の12時間前の午後5時46分、集まった市民らが黙禱(もくとう)した。
宝塚歌劇団の元花組娘役で、宝塚大劇場での公演期間中に被災した歌手の絵莉(えり)千晶さんがアメイジンググレイスを独唱。絵莉さんは「能登の人たちはいま、どんなに寒いのか。それを思うとつらいが、改めてこの命を大切にしたいと思った」と涙ぐんだ。
13代目となる石積みの「生」の文字は昨年12月、2日間で延べ150人が参加して完成させた。
考案者であり、追悼の集いを主催した市民グループ代表で現代美術家の大野良平さん(64)は「震災を知らない世代が増えているなか、今日は関西学院大の学生たちも参加してくれた。記憶の継承が問われているなか、被災者に寄り添い、傷ついた思いを共有していくことは大切なこと。明日は、それぞれがそれぞれの大切な命と向き合う日となることを祈っている」と話した。(谷辺晃子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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