「レッドカードを出しやすい明確な基準にする」。制定にあたって小泉進次郎環境相(当時)がそう表明したように、ペットショップや繁殖業者などのもとにいる犬猫の飼育環境について、具体的な数値を盛り込んで規制する「飼養管理基準省令」には、悪質業者の改善、淘汰(とうた)を進める効果が期待されている。昨年6月からは、飼育ケージの最低面積やメスの交配年齢を原則6歳までなどとする規制が、激変緩和のため猶予されていた既存業者にも適用されるようになった。
「レッドカード基準」の本格的な施行が始まったわけだが、実際に業者の監視にあたる自治体の現場で、この新たな省令は効果をあげているのだろうか。業者にかかわる業務を担う全国107の自治体(都道府県、政令指定都市、一部の中核市)を昨年12月、調査した(回収率100%)。
すると、全国で計約4千の事業所が、行政による「指導」の対象になっていたことが明らかになった。自由記入欄には「飼育環境が改善された」(福岡県)などと、効果を評価する声が数多く寄せられた。だが取材を進めると、課題も浮き彫りになった。
まず、自治体担当者らから「…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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