犯罪だけが居場所だった 少年院で19歳が語った日々

 「捕まって、安心した」。19歳の少年は1年半前、逮捕状を見せられた時の心境を振り返った。思えば、罪を犯し続けて生きてきたような気もする。非行の連鎖を、どう断ち切れば良かったのだろうか。

 兵庫県加古川市の少年院「加古川学園」で1月、少年は朝日新聞の取材に応じた。詐欺や恐喝、道路交通法違反などの非行内容で少年院送致された。メガネを掛け、黒髪を短くまとめ、落ち着いた雰囲気だった。

 姉と妹、弟2人の7人家族。母とは2人で出かけるなど仲が良かったが、再婚相手の義父とは口もきかなかった。

 最初は、小学5年の時のお菓子の万引き。遊び感覚だった。中学でも週2、3回繰り返した。万引き仲間もできた。中2の時には置き引きで警察から取り調べられ、義父に殴られたが、罪悪感はなかった。

 高校受験に失敗。建設の仕事も1カ月続かなかった。中学時代の仲間とたばこを万引きして少年鑑別所に入り、保護観察処分を受けた。15歳の時だ。

 担当の女性保護司は、幼い頃からの顔見知りだった。「このままの生活ではあかんで」。でも仲間といるほうが楽しくて、連絡は無視するようになった。

 15歳の夏、遊びに出掛けた…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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