犯行の包丁、事前に準備か 茨城の一家4人殺傷1年

 茨城県境町の住宅で昨年9月、会社員の小林光則さん(当時48)とパート従業員の妻美和さん(同50)が殺害され、小中学生の子ども2人が重軽傷を負った事件で、犯人が事前に準備した包丁を使用したとみられることが捜査関係者への取材で分かった。23日で事件発生から1年。犯人に結びつく有力な手がかりはなく、地元有志が懸賞金を用意して、県警捜査本部は情報提供を求めている。

 昨年9月23日午前0時50分ごろ、小林さん宅の2階にある寝室で、光則さんと美和さんが刺殺されているのが見つかった。美和さんは直前に「助けて」と自ら110番通報していた。2階の子ども部屋で寝ていた当時中1の長男(14)も両腕や両足を切られて重傷、同じ部屋にいた当時小6の次女(12)も手に催涙スプレーをかけられた。1階で寝ていた当時大学生の長女(22)にけがはなかった。

 捜査関係者によると、夫婦の傷の形状や、長男や次女の証言から、犯行には市販されている文化包丁が使われた可能性が高い。凶器は見つかっていないが、元々自宅にあった包丁が使われた形跡はなく、県警は犯人が当初から危害を加えることを想定して用意したとみている。

 室内に物色された形跡はなく、1階の部屋には入らず2階に直行したとみられることから、県警は、家族に恨みを抱いた人物の犯行の可能性があるとみている。交友関係を中心に捜査しているが、目立ったトラブルは確認されておらず、犯人像の絞り込みは難航している。

 長男と次女は県警の捜査に、犯人が日本語を話す中肉の男で、黒っぽい長袖と長ズボン姿、黒色のマスクや帽子を着用していたと証言。現場の状況から、犯人は無施錠だった1階の脱衣所の窓から出入りした可能性が高い。捜査関係者によると、外壁にはよじのぼったような足跡が残されていた。また、住宅北側の小道では血痕が付着したスリッパが見つかった。小林さん宅で使われていたもので、血痕は襲われた家族のものとみられるという。

 事件をめぐっては、地元住民らによる有志の団体が今月、容疑者の逮捕に結びつく有力な情報に最高100万円を支払う懸賞金を設けた。期間は今年9月23日から3年間の予定という。事件に関する情報提供はフリーダイヤル(0120・007・285)へ。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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