効率的に新品種を得られると、農水産業でゲノム編集による品種開発が進んでいます。すでに流通する品目も。日々の食卓に浸透する時代が来るのでしょうか。(大村美香)
「従来の品種と育ち方に違いは?」「1株からどれくらいトマトが取れるのですか」。昨年11月、茨城県つくば市で開かれたゲノム編集研究施設見学会。ハウスの中で赤く実を付けた「シシリアンルージュハイギャバ」を囲んで、開発した江面(えづら)浩・筑波大教授(遺伝育種科学)に見学者から質問が次々と出た。
このミニトマトは、血圧上昇を抑える効果などがあるとされる「GABA(ギャバ)」の量が4~5倍高い。2021年にゲノム編集食品の国産第1号として発売された。
機能性表示食品の届け出もしており、現在は九州地方の農家が契約栽培をして、ネットや東京などの量販店で販売している。
見学会には10代から70代の27人が参加し、トマトの試食もあった。
「酸が柔らかく買ってもいいかな。これまで怖いイメージだったけれど、普通の作物と思った」と東京都板橋区の大学職員の女性(33)。茨城県取手市の農家の女性(48)は「実際の栽培を見て、開発に携わる人の意見が聞きたくて」参加したという。
私も食べてみた。皮がプチッ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル