東京都狛江市で19日に発生した強盗殺人事件をはじめ、関東から中国地方に至る全国各地で発生している強盗事件では、住人が在宅中に襲われているという共通点がある。立正大の小宮信夫教授(犯罪学)は「金品のありかを聞きだすためではないか」とみる。
小宮教授によれば、SNS上では「闇バイト」などと称して強盗の実行役が募られており、強盗が「コスパ(費用対効果)良く稼げる」仕事という誤った認識を持つ若者がいるおそれがあるという。資産状況などを探る「アポ電」で得られた情報や高齢者の住所録などが犯罪グループ内でまとめられ、「事前にターゲットとなる家の情報を仕入れ、下見で人の出入りを確認していることが多い」とみる。
こうした強盗犯から身を守るため、家庭の防犯対策に詳しいセコムIS研究所の浜田宏彰研究員は「家の中に入らせない対策が鍵になる」と話す。在宅時も勝手口を含めた家全体の施錠が必要という。
ただ実際には、宅配便などを装った人物に押し入られたケースもある。浜田さんは相手が宅配便を名乗ったとしても、送り主を確認することを推奨。直接の対面を避けるためキーチェーンをかけてドア越しにやり取りし、荷物をその場に置いておいてもらうか宅配ボックスに入れてもらうかした方が良いとしている。
浜田さんは、表札に家族全員の氏名を記して家族構成がわかる状態や、個人情報が書かれた書類などをそのまま捨てるのも危険と指摘。「家庭の『情報セキュリティー』にも気を配ってほしい」と話す。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル