猛暑日に座り込むおばあちゃん 車で見かけた小学生は見過ごさす声を

手代木慶

 35度超えの猛暑日、路上に座り込む女性(77)を救ったのは、9歳の男児と母親の連係プレーだった。

 7月27日午後3時ごろ、横浜市栄区の小学4年後藤奏介さん(9)は母・早紀さん(39)の車で買い物へ。しばらく走ると、歩道に座り込んで手を振るようなしぐさを見せる高齢の女性が2人の目にとまった。

 「おばあちゃんを助けてあげよう」。奏介さんの一言で早紀さんは引き返し、「どうしましたか。具合悪くないですか」と声をかけた。だが、会話がかみ合わない。「認知症かな」と思った早紀さんが女性を見守り、「熱中症かも」と奏介さんが水を買いに走った。

 女性は午後2時ごろ、鎌倉市の高齢者施設から姿を消し、大船署が40人態勢で捜索していた。施設から直線で2キロ以上離れた路上で奏介さんたちが声をかけ、午後3時半に近くの栄署に送り届けられた。

 「高齢女性を放っておけば、熱中症になる可能性があった。見て見ぬふりをしてしまう人が多い中、すばらしい行動だった」。野沢茂・大船署長は9日、2人に感謝状を手渡した。高齢者施設からも「暑い中、早期に見つけて下さり、ありがとうございました。おばあちゃんは元気です」と感謝の言葉があったという。

 早紀さんは「奏介の『介』は、人を助けるという意味を込めてつけた。困っている人がいたら助けてねと小さいときから言っていた」。奏介さんは「助けてよかったなと思った。またこういうことがあったら助けてあげたい」。(手代木慶)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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