猛毒のダイオキシンをふくむ除草剤約26トンが、15道県42市町村の山中に半世紀前から埋められたままになっていることが、林野庁への取材でわかった。うち12道県20市町村の約18トンは、林野庁の通達と異なる方法で出先機関が埋めたままという。
林野庁は地域の安全に問題はないとしているが、近年は豪雨などで土砂崩れが相次いでおり、岩手県や福岡市などは除草剤の流出などを懸念して、撤去を求めている。
除草剤は「2・4・5T系」という種類。林野庁はかつて国有林の植林時にこの除草剤を使っていた。
ネズミの研究で胎児の奇形が指摘されたことなどから、1971年に使用を中止。6割余りはメーカーに返還したが、残った分は処分法がないとして、17道県50市町村の国有林に埋めたと説明している。
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林野庁「掘りだす際に飛散も…」
埋設方法について林野庁は当時の営林局に対し、除草剤と土、セメントを混ぜてコンクリート塊にし、厚さ1メートル以上の土をかぶせることや、できる限り水源から離すよう通達していた。
その後、コンクリで固めず埋めるなど通達と異なる方法が愛媛県内で取られていたことが愛媛大学の調査などで判明。各地で類似ケースが判明し、一部は撤去された。林野庁の通達前に各地の営林局が独自に埋めたケースが多かったという。国会でも取り上げられ問題になった。
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林野庁は「安全な無害化方法が確立されず、掘りだす際に飛散も懸念される」と説明。林野庁の専門家委員会は「地域住民の生活に及ぼす影響はない」としている。現在、年2回の目視による点検のほか、大雨や地震の後に異常がないと確認しているという。
だが、一部の自治体は「記録的な豪雨が全国で多発している」(福岡市)として撤去を求めている。
記事の後半に、除草剤が埋められたままの15道県42市町村と埋設量の一覧を載せています。
林野庁の当時の埋設担当者は、のちに林野庁長官を務めた塚本隆久氏(85)。
塚本氏は取材に「誤って使用さ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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