29日午後0時25分ごろ、福岡市西区玄界島の旧市立玄界中の校舎内で、「高齢女性が倒れており、意識がない」と女性の親族の男性から110番があった。女性は近くの中村テイ子さん(82)で搬送先の病院で死亡が確認された。中村さんは首に複数の損傷があり、福岡県警は殺人事件と断定し、福岡西署に捜査本部を設置した。
中村さんは旧校舎の屋内で、意識不明の状態で発見された。県警は30日に遺体を司法解剖する。
県警によると、中村さんは夫と2人暮らしで、最後に姿が確認されたのは28日夜。29日午前7時ごろ、夫はテイ子さんがいないことに気付いたが、普段から朝は旧校舎近くの畑で作業することが多かったため不審に思わなかったという。約束があった午前11時半ごろになっても戻らず、親族の男性と島内を捜索し、男性が発見して110番した。
旧校舎は施錠されていない箇所があり、立ち入るのは可能。現在も行事で使われているという。
近所の男性は「夫婦は仲良しで、テイ子さんに畑で作ったタマネギなどをもらい親切にしてもらった。島の人はみんな顔見知り。こんなことが起きるなんて本当に驚いている」と声を詰まらせた。
近くの女性は「(テイ子さんと親交がある)母からは先日会った時は変わった様子もなく元気そうだったと聞いた。争ったような声を聞いたこともないし、テイ子さんのトラブルも聞いたことがない」と話した。
玄界島は同市の離島で博多港から定期船で35分。人口は約400人。現場は島中心部から数百メートル離れ、山に囲まれている。
(木村知寛、古川大二、斉藤幸奈)
西日本新聞社
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