玄関から1歩、そこはリビング 小さな家で25歳が描く幸せの設計図

【動画】住まいのかたち

連載「住まいのかたち」①

 玄関で靴を脱ぐ。1歩踏み出せば、そこはもうソファのあるリビング。見上げると、寝床のロフトが目に入る。水回りを加えれば、それが折出裕也(おりでゆうや)さん(25)の住まいのすべてだ。

 山あいの平地に立つ三角屋根の一軒家に、デザインの仕事をしながら恋人(24)と暮らす。この家に置ける家具には限りがある。だから2人でいつも話し合う。いま、自分たちに何が必要か、これから、何が大事になるか。

 「ここに住み始めたからこそ、見えてきたものがあったんです」

 「住まい」を初めて意識したのは、北海道に住んでいた小学生のころ。借家から2階建ての新築住宅に引っ越した時だった。

 両親が建築士と何度も打ち合わせを重ねた、念願のマイホーム。初めて見たときは、広くて、大きくて、ぴかぴかに輝いて見えた。両親の寝室や書斎に加え、自分や二つ上の兄、双子の妹の部屋もあった。吹き抜けのリビングで、テーブルをみんなで囲んで食事し笑いあった。庭では毎月、家族や友人らとバーベキューを楽しんだ。

 だが、家が輝いている時間は長くは続かなかった。

連載「住まいのかたち」

2021年もステイホームの暮らしが続きました。多くの時間を過ごす「住まい」とは、私たちにとってどういう存在なのか。様々な「家」を舞台に、そこに住む人たちの姿を通して豊かな暮らしのヒントを探ります。

 18歳になった子ども3人は…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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