秋田県男鹿市で31日夜、鬼のような異形の者たちが家々を訪れる伝統行事「男鹿のナマハゲ」があった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて行事を中止した地区もある。実施した地区でも、飛沫(ひまつ)感染を防ぐためとして「泣く子はいねが」と叫ばなかったり、玄関より先には上がらなかったりと、例年とは違うナマハゲ行事になった。
男鹿市北部の琴川地区。約70世帯、150人ほどが暮らすこの地区では、零下の夜道を、包丁のようなものを手にして赤と青の面をつけた2体のナマハゲが歩いた。
家々の玄関先に上がると、野太い声で「ばあさん、まめでらが(元気か)」「良い子にしでるか」と荒々しく尋ねて回った。
行事を担う青年会の佐藤立(りゅう)会長(31)は、「無病息災を願うナマハゲが病気を持ってくるようなことは避けなければならない」と開催に悩んだという。
一方、「一度中止したら再開が難しくなる」と考え、実施に踏み切った。琴川のナマハゲ行事は少なくとも50年以上脈々と続く伝統で、中止は容易ではなかった。
ナマハゲは本来、家の中に荒々しく上がり込んで「怠け者はいねがー」「泣く子はいねがー」などと叫び、家主から酒や食事のもてなしを受ける。今年は感染対策としてそうした供応を断り、玄関先に上がるだけにした。
それでも、ナマハゲ特有の野太…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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