のれんをくぐると、懐かしさとワクワク感がこみ上げてくる。花火の産地として栄え、毎年8月7日の「花火の日」に「神明の花火大会」が開かれる山梨県市川三郷町の、玩具花火ばら売り専門店「はなびかん」。ホームセンターにはないこだわりの国産花火を求めて、多くの客が足を運ぶ。
「年齢、家族構成、遊び方など、お客のニーズに合わせた花火を紹介しています」。自称「花火ソムリエ」で株式会社タチカワ代表の立川靖さん(65)は柔和な笑顔を浮かべた。要望に応え続け、品ぞろえは400種類を超えたという。
花火職人だった先代が、1957年に玩具花火問屋として会社を立ち上げた。靖さんが後を継ぎ、ホームセンターなどの求めに応じて安価な中国製花火を中心に卸していたが、次第に気持ちが沈んだ。
国産花火の品質の良さを伝えたい
「国産花火は高価だが、鮮や…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル