現場をつなげ、高まる危機感 社会を支える「救世主」に

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編集委員・中島隆

現場へ! フレーフレー就活高校生⑤

 「いまここにある危機」を救う若者に、会いに行った。

 まずは、東京都八王子市にある「中央軌道工業」。創業は1988年。レールや枕木の敷設など、鉄道の安全と便利さを守る企業の一つ、である。

 東京駅から西へ、西へと快速電車に揺られて約1時間、八王子駅に着く。鉄道って便利や。バスに乗って、中央軌道へ。

 若者が2人、待っていてくれた。1人は葛西隆生(りゅうき)(20)。秋田県から2年前に出てきた。シングルマザーの家庭で育ち、人生の選択肢は、高校卒業したら働く、の1択。高校の先生が中央軌道をすすめてくれた。

 終電から始発までが勝負、の仕事だ。「工事にかかわった新路線に電車が走ったときの感動は、忘れられません」

 もう1人は、昨年春入社の樋山詩音(しおん)(19)。福島県出身。きょうだいが多いので両親の助けになれば、と就職した。「筋肉なし、体力なし。でも、電車をつかう方々のため、がむしゃらです」

 中央軌道では、現場の社員たちの高齢化が進む。技能実習生に頼ることもあったが、技術の継承は難しい。「そこで、5年ほど前から高卒採用に力をいれてきました」と役員の丸山久徳(59)。彼に聞いてみた。

 高卒社員が入社してこなかったら、何がおこりますか?

 「事情は他社も同じ。高齢化…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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