現職警察官のプロボクサー・二葉恒輝巡査長(28) きつい練習にやりがいを感じる(産経新聞)

 長野県警の警察官として職務に励む傍ら、勤務が非番に当たる日などを活用し、ボクシングの練習に励んでいる。県警の警察官でプロボクサーのテストに合格したのは初めてで、すでに試合にも臨んだ。きついスポーツだからこそ、やりがいもひとしおなのだという。(松本浩史)

 ボクシングを本格的に始めたのは、大学に入学してからです。もともと格闘技が好きだったので、進学を機に腰を据えて挑んでみたかった。拳だけで戦うシンプルさにひかれました。在籍中には、20試合くらいに出場し、勝ち負けがほぼ同じ戦績でした。

 ボクシングは、ロードワークや減量がとてもきつい。でもそれだけ、やりがいを感じます。拳を交えるので、恐怖心にかられることもある。防御の技術を磨いた練習量は嘘をつかない、相手も怖いんだと自分に言い聞かせ、対戦相手に立ち向かう。得意なのは、左右から繰り出すボディーブローです。相手の動きを見極め、隙があれば距離を詰めて打ち込みます。カウンターをもらう危険と裏腹なので、度胸が必要です。

 今年2月に初めて、プロのリングに上がりました。東京・後楽園ホールで行われたスーパーバンタム級4回戦です。2ラウンドで1回、ダウンしてしまい、0-3の判定で敗れました。積極的に攻めていけず、防御が甘かったと痛感した。でも、4ラウンド戦い抜けたことは自信になった。

 ファイトマネーは所属するジムに所定の額を配分し、あとは認定NPO法人「長野犯罪被害者支援センター」に寄付しました。

 非番の日などを使い週4日、ジムで練習しています。6月には、東日本新人王トーナメントに出場する予定なので、少しも手を抜けません。ウエート別の階級を下げて、バンタム級で挑むつもりです。

 子供のころから正義感を胸に職務に当たる警察官の仕事に憧れていました。大学4年生のとき、北アルプス・燕岳の山小屋でアルバイトをした際、長野県警山岳救助隊が活動する光景を目の当たりにした。格好良かったですね。就職先に選んだのも、こんな経験があったからです。

 6月のトーナメントで初勝利することが最大の目標です。今はC級ライセンスで、4勝あげるとB級に切り替わる。その先にはA級がある。自らの職務を遂行するのはもちろんですが、「ボクシングをやったんだ」と自ら納得できるよう、A級を取得したいですね。

 【プロフィル】ふたば・こうき

 平成4年、北九州市出身。関西学院大卒。平成30年から松本ACEボクシングジム(長野県松本市)に所属している。松本署では留置管理課に勤務。小中学生のころは野球に打ち込み、高校では卓球部に所属していた。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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