昨年7月の参院選広島選挙区をめぐり、地元議員らに多額の現金を配ったとして前法相で衆院議員、河井克行容疑者(57)=広島3区=と、妻で参院議員、案里容疑者(46)=広島選挙区=が東京地検特捜部に逮捕された公選法違反事件で、逮捕容疑となった現金配布先の94人の中に、広島県三原市の天満(てんま)祥典市長(73)と安芸太田町の小坂真治前町長(71)が含まれていることが23日、関係者への取材で分かった。 関係者によると、天満市長側と小坂前町長側は、克行容疑者からそれぞれ数十万円以上を受け取っていたという。特捜部など検察当局は2人を任意で聴取しており、起訴するかどうか慎重に見極めるとみられる。 天満市長はこれまでの報道陣の取材に「(現金を)もらっているわけがない」と話し、受け取ったことを否定していた。一方、小坂前町長は昨年4月下旬ごろ、自宅を訪れた克行容疑者から封筒を押し問答の末に受け取ったとし、今年3月に封筒の中身を確認すると20万円が入っていることが分かったと説明していた。 小坂前町長は受け取った20万円について政治資金収支報告書に記載する手続きを取ったとしたが、翌4月に「道義的責任」を理由に町長を辞職。町民に向けては「申し訳ないとの思いしかない」と陳謝していた。 克行容疑者ら夫妻は昨年3~8月、参院選で案里容疑者の票の取りまとめを依頼するなどし、報酬として計約2570万円を地元議員や後援会関係者ら94人に渡した疑いが持たれている。これまでに94人のうち、約40人が地元議員だったことが判明している。 関係者によると、克行容疑者は特捜部の調べに対し、現金配布を一部認める一方、買収の意図はなかったとして容疑を否認しているという。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース