7月の記録的豪雨で熊本県南部を流れる球磨(くま)川が決壊したことについて、国土交通省九州地方整備局は4日、増水してあふれた水が再び川に戻る「逆越流」によって堤防が壊れた可能性が高いとの見解を示した。福岡市でこの日あった有識者会議(委員長=秋山寿一郎・九州工業大名誉教授)の最終会合で示された。
国交省の調査によると、決壊は人吉市の2カ所で発生。豪雨当日、降雨で水かさが増えた球磨川の水が堤防を越え、堤防が水没。水を含んだため通常より損壊しやすい状態となった。
その後、水位が低くなった川に水が戻る逆越流が5~6時間続いた。堤防を覆うアスファルトなどが水の勢いではがれ、徐々に堤防の浸食が進んだ可能性が高いと結論づけた。損壊した堤防をコンクリートで覆って保護する復旧工事が国交省から有識者会議に提案され、了承された。
一方、今回の豪雨で氾濫(はんらん)した九州北部を流れる筑後川では、降雨で上昇した地下水が堤防の外側の地表に噴き出す現象が起きた。鋼板を堤防に打ち込み、水の浸透を防ぐ方法で復旧工事を進めることも決まった。(棚橋咲月)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル