「宿題の見直しには私も賛成です。暗記しているかどうかを確認するだけの宿題が、考える力を育むとは思えないからです」
連載「宿題が終わらない」(全6回)の第2回として、5月25日に配信された記事「その宿題、意味ありますか? 心理学者が問う『質』と親世代との違い」に、スポーツ教育学者で元ラグビー日本代表の平尾剛さんは、こうコメントした。
記事では、意味のある宿題とはどんなものかを研究している東京学芸大学特任講師の太田絵梨子さん(教育心理学)がインタビューに答える形で、宿題の「量」だけでなく「質」にも目を向けるべきだと問題提起。「意味のない宿題を出すぐらいなら、やめたほうがいい」とし、具体例として、意味を理解しないままひたすら暗記させる宿題を挙げた。先行研究でも、取り組んだ量と成績の相関関係ははっきりしないと指摘した上で、全員一律に同じ宿題をしなければならないという社会通念は取り払うべきだと訴えた。
同様に暗記目的の宿題を疑問視した平尾さんは、「そもそも興味や関心があれば自(おの)ずと記憶するもの」だとして、「いかに興味を持てるかに主題をおき、時間をかけて授業をしたうえで宿題を出すのが理想」と提案。量より質を重視する姿勢を、教育現場に求めた。
一方で、自身が訴える理想は、時間的にも精神的にも先生に余裕がなければ実現できないとも指摘。多忙な現状を踏まえ、まずは業務を精査して減らし、授業の準備をしたり子どものことを考えたりするための余裕を先生が持てるようにすべきだとの考えを示した。その上で、こうコメントを締めくくった。「教育改革をするならまずはここから始めなければならないと私は思います」
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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