琵琶湖岸の白骨遺体、身元判明 手がかりは捜査員の記憶

安藤仙一朗、鈴木洋和

 滋賀県彦根市薩摩町の琵琶湖岸で、打ち上げられたスーツケースから白骨化した遺体が見つかった事件で、県警は24日、身元は2007年11月に殺害されたとみられる歯科医院共同経営者の井沢貴生(たかお)さん(当時38)=大阪市西区南堀江4丁目=と判明したと発表した。

 県警などによると、大阪府吹田市で井沢さんを殺害したとして、男3人が08年に殺人容疑で大阪、京都両府警に逮捕された。ただ、琵琶湖に遺棄したとされる遺体は当時見つからなかった。男3人は起訴され、実刑判決が確定したという。彦根署に設置した捜査本部は、26日に解散する。

 滋賀県警捜査1課によると、大阪府警などが琵琶湖周辺を捜索したことを覚えていた捜査員がいた。今回の遺体のDNAを調べたところ、井沢さんの複数の親族と一致したという。

 琵琶湖岸で見つかったスーツケースは黒い布製のチャック式。遺体の遺棄に使われたとされるものと特徴が似ていたという。また、ケースの周りにさびの跡があり、チェーンのようなものが巻き付けられていたとみられる。県警は、チェーンなどを巻き付けて重りにしたとの当時の供述と整合性がとれるとみている。

 捜査関係者によると、3人は歯科医院の経営をめぐるトラブルから、麻酔薬を飲ませて首を絞めて殺害したとみられる。県警の鑑定では、遺体から麻酔薬の成分も検出されたという。(安藤仙一朗、鈴木洋和)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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