瑞獣が来た!空想動物でたどる3千年の美の歴史 京都で

 瑞獣(ずいじゅう)とは、人間社会に幸をもたらす空想上の霊獣のこと。泉屋博古館(京都市左京区)の特別展「瑞獣伝来」は、3千年にわたって東アジアに君臨した瑞獣たちの歴史を美術品の意匠や画題からたどる。

 竜や鳳凰(ほうおう)、麒麟(きりん)……。そのイメージは古代中国に端を発し、吉祥を告げ、為政者の徳をはかる存在となって変容を遂げつつ周辺地域に広がった。はるか紀元前の青銅器からその造形は見え、以来、絵画や工芸品では欠かせないモチーフとして芸術家の想像力をかきたててきた。

 代表格は、やっぱり竜。最強・至高の存在であり、権威の象徴だ。古鏡の背面や青磁の壺(つぼ)をめぐる肢体は、まるで霊力で器物に閉じ込められたごとくのたうち、京都・建仁寺障壁画の海北友松「雲龍図」や南宋の陳容作と伝わる「五龍図巻」などの水墨画ではダイナミックかつ荘厳な神々しさを放っている。

 対して鳳凰は極彩色に飾られ、…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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