生まれたての宇宙、ひとの胎児のよう 次々と姿を変えて

村山斉の時空自在〈24〉

 宇宙の進化は人間と似ている。

 胎児は単細胞から数日の間に分裂を繰り返しどんどん複雑になっていく。最初の40日でエラができてなくなったり、尻尾が生えてなくなったり、目まぐるしく変化する。どんどん人間らしくなり、いろいろな臓器ができていく。そのあと240日ほどすると、へそからの栄養補給がなくても、空気にさらされても生きていけるようになる。生まれた後も年を重ねるにつれて変化がゆっくりになる。

 宇宙も138億歳の今の進化はゆっくりだ。地球ができてから人間が生まれるまで40億年以上かかったし、太陽が燃え尽きるのは50億年ほど先だ。小さな銀河の多くは大きな銀河に吸収合併される。大きな銀河は太り続け、いずれは腕がなくなって丸くなる。

 今の宇宙は少子高齢化が進み、…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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