女の子は、「名前」がないまま、わずか14日の短い生涯を終えた。首を絞めるなどして殺害した罪で起訴されたのは、母親(26)だった。哺乳瓶やベビーカーを買いそろえ、新たな命の誕生を心待ちにしていた被告が、なぜ我が子に手をかけたのか。判決後、裁判長の言葉に涙を浮かべたわけとは――。
広島地裁で9月30日にあった裁判員裁判の初公判。被告は、白のカッターシャツに黒いパンツ姿で法廷に現れた。毛先の半分ほどは茶髪で、根元は黒。長い髪を後ろで束ねていた。
広島市安佐北区内の自宅で昨年7月、自ら産んだ生後14日の娘を殺害した――。検察官が起訴状を読み上げると、被告ははっきりとした口調で「間違っていることはありません」と答えた。
「生まれてきてくれて安心」 感じた喜び
検察側の冒頭陳述などによれ…
きょうも傍聴席にいます。
事件は世相を映します。傍聴席から「今」を見つめます。2017年9月~20年11月に配信された30本を収録した単行本「ひとりぼっちが怖かった」(幻冬舎)が刊行されました。[記事一覧へ]
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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