警視庁によると、昨年までの5年間に歌舞伎町で客待ちをしたとして売春防止法違反で摘発した女性らの数は、年20~50人台で推移している。今年は4月までに18人を検挙し、いずれも大久保公園周辺で客待ちをしていた女性だという。売春を、早くお金を稼げる手段としてとらえて、検挙されても再び路上に立つ女性もいるという。
売春を続ける理由がホストクラブに通うためという女性も多い。4月には、大久保公園周辺で女性に売春の客待ちをさせたとして、ホストの男を売春防止法違反で逮捕した。男は自身が働くホストクラブの女性客に対し「生活費に困っているなら立ちんぼしてみなよ。立ちんぼで稼いだら、店でも会えるし(売掛金の)返済もできる」とそそのかしていたという。
警視庁では、新型コロナの影響で生活に困窮した女性らが路上売春するケースが増えているとみて22年4月、売春する女性を自治体などの支援へつなぐ「専門相談員」を全国で初めて設置した。女性の要望に応じて相談にのり、生活の立て直しをサポートする。1年間で15人を生活保護や医師などの支援につなげた。8割が20代だという。(藤原伸雄)
「売春したくてしているわけではない」
長く新宿・歌舞伎町を取材している作家の石井光太さん(46)は、「売春する女性たちは売春をしたくてしているわけではない。一般社会に居場所を見つけられず、大久保公園など『夜の街』に追いやられている」と話す。
路上売春をする女性たちのなかには、人と話すことが苦手だったり、精神的に疾患を抱えていたりして、一般社会で生きることが難しい人がいるという。その背景には、虐待や性被害などのトラウマがあるケースもあり、社会に希望を持てずに生きている女性たちが多いと見る。
そんな女性たちが、必要とされたいという気持ちを満たされる場所として、ホストクラブやメンズコンセプトカフェなどの存在を指摘する。
女性たちは店で接客を受け…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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