生物基礎、代ゼミ問題分析 大学入学共通テスト

生物基礎 

問題ページ数が4ページ減少した。知識と理解を活用する問題と実験考察問題がバランスよく出題され、読解力や思考力が試された。

―概評―

大問3題がそれぞれA・Bに分割され、幅広い内容が出題されている。昨年に引き続き、単純な知識問題はほとんど見られず、基本的な理解を基に課題を解決していく、知識の活用力や思考力が試される問題が中心であった。

【大問数・設問数・解答数】

・昨年同様3であった。

・昨年より1減少し15であった。

・昨年より1増加し18であった。

【問題量】

・大問数、設問数、解答数にほぼ変わりはないものの、図表の数が昨年から3個減少し、余白が減少したこともあり、実質の問題ページ数が昨年より4ページ減少し、14ページであった。

【出題分野・出題内容】

・例年同様、第1問は「生物の特徴および遺伝子」、第2問は「生物の体内環境の維持」、第3問は「生物多様性と生態系」から出題されたが、第3問Aでは、第1問で扱われる分野からの出題がみられた。

・全体的に知識を基に思考力を試す問題が中心であったが、実験考察問題も多くみられた。

【出題形式】

・すべての大問がA・Bの中問に分かれていた。

・複数の答えを組み合わせて解答する形式の問題は6問であり、昨年の7問から1問減少した。

―難易度(全体)―

昨年並み。問題のページ数は減少したものの、解析力や読解力が求められた。

―設問別分析―

第1問

・小問A 細胞と遺伝子 難易度:標準

・小問B 体細胞分裂 難易度:やや難

 A:問1は基本的な知識の問題だが、呼吸を行う原核生物もいることに気づきたい。問2は細胞内共生説による遺伝子発現の変化を考察する空欄補充問題。B:問3は単純な計算問題。体細胞のDNA量は精子の2倍であることに注意。問4・5は細胞周期の時期を考察する問題。見慣れない内容やグラフだが、各期で起こっている内容とDNA量の変化を覚えていれば解答できる。

第2問

・小問A 胆汁の作用 難易度:標準

・小問B 免疫 難易度:標準

 A:脂肪の消化に関する対話文形式の実験考察問題。問1は典型的な実験区の組み合わせを選ぶ問題。着目する要素の有無のみが異なる試験管を選ぶ。問2も実験の組み合わせを選ぶ問題。層X・Y・Zに何が含まれるかを考察できればよい。B:問3は自然免疫の知識問題。問4は実験の形式だが、内容は基本知識。問5は実験考察問題。問題文に書かれた、各マウスの設定を見落とさないようにすれば、基本知識を基に選択肢を選ぶことができる。

第3問

・小問A 代謝・窒素循環 難易度:標準

・小問B バイオーム 難易度:標準

 A:問1は代謝、問2は窒素循環に関する知識問題。問3は文章読解による考察問題。生態系には生物的環境と非生物的環境が含まれることを踏まえ、「生態系から窒素を取り除く」方法を選択する。B:バイオームの問題。文中では全てグラフ上の記号で表されるので、各バイオームの位置を正確に覚えていないと解答できなくなる。問4は基本知識。問5は見慣れないグラフの考察問題。Cは夏緑樹林なので、秋に落葉して指数Nが減少する。(代々木ゼミナール提供)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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