産廃の爪痕 豊島の処理事業は最終盤に 遮水壁の撤去スタート

 国内最悪とされる91万トンもの産業廃棄物不法投棄事件が起きた豊島(てしま、香川県土庄町)で、汚染された地下水が海へ流出するのを防ぐために設置していた「遮水壁」の撤去作業が1日朝始まる。島内にあった産廃を運び出し、地下水の浄化や汚染土壌の除去作業はすでに完了。県と住民との間で成立した公害調停から20年以上が経過し、処理事業は最終盤を迎えている。

現場には局所的に有害物質の値が高い「ホットスポット」が残る=2021年12月、香川県土庄町、紙谷あかり撮影

 豊島は小豆島の西約4キロにあり、面積約14平方キロの離島。不法投棄の現場は島西側の28・5ヘクタールで、遮水壁はその北の海岸沿いに2001年に設置された。344メートルにわたり、護岸工事などで使われる「鋼矢板(こうやいた)」が861枚、15、16年には東西両端の計93メートルに226枚が追加で打ち込まれた。最も深いもので15メートル地中に打ち込まれている。

 1日は朝から、大型クレーン車の先に取り付けられた「バイブロハンマー」と呼ばれる重機を使い、地盤に振動を与えながら1枚ずつ引き抜く作業を始める。

豊島の遮水壁引き抜き作業のイメージ

■現場に複数残る「ホットスポ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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