TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。12月23日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、作家の田中康夫さんが“日本の報道の在り方”について見解を述べました。
◆英字新聞が見せた“ジャーナリズムの力”
ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の山口敬之さんから性行為を強要されたとし、慰謝料1,100万円を求めた民事訴訟で東京地裁は伊藤さんの主張を認め、山口さんに330万円の支払いを命じる判決を下しました。この判決を受け、記者会見を行った伊藤さんは「日本の今後の性犯罪の扱いを変える出来事になった」と語り、さらに「日本ではまだ被害者が声を上げるとバッシングされることがあるので、私がやってきたことが公益目的だと認められたのは嬉しかった」と振り返っています。
一方、山口さんも日本外国特派員協会で会見を行いましたが、その際に外国人記者から「安倍さんや菅さんの力を借りたんですか?」という質問が。そしてその翌日、田中さんは多くの新聞を買うも、それを一面で扱っているものはなかったそう。
しかし、英字新聞「ジャパンタイムズ」は速報で「安倍首相と密接な関係を有する元テレビ記者の山口敬之に対し、ジャーナリストの伊藤詩織への330万円の慰謝料の支払いを命じた」と報じ、「ここに全て表れている」と田中さん。さらには、「これは憶測でもなく、隠喩でもなく、大変なことを言っている」と指摘します。
そして、その翌日もジャパンタイムズは、「東京地方裁判所は安倍首相と極めて密接と目される著名ジャーナリスト山口敬之に対し、日本における#MeToo運動の象徴的存在であるフリーランスジャーナリスト伊藤詩織への慰謝料及び訴訟費用の支払いを命じた」と報じていたそうです。
山口さんは過去に「総理」という本を幻冬舎から発表し、そこには安倍首相と執務室で一緒に撮った写真が掲載されているそう。そんな関係性を「わずかこれだけで書けるということは、僕はジャーナリズムの力だと思う」と言います。
次に田中さんは、12月の参議院本会議で出た“シンクライアント”という言葉に注目。「桜を見る会」の招待者名簿データを巡るなかで、「シンクライアント方式だからデータ復元は不可能」という発言があったのですが、「これを書いたメディアは電子版を含め、朝日、毎日、日経だけ」と田中さん。
そもそも、シンクライアントとは「ユーザー側でデータを保存するのではなく、複数箇所で未来永劫バックアップする」ものだとか。日本だけでなく世界中で保管していることもあり、南海トラフ巨大地震が発生しても問題なく、「復元の可能性も蓋然性としてある」と田中さんは言います。ただ、これを解説した新聞媒体は、これまたどこにもなかったそう。
その後、田中さんは2001年、長野県知事時代に行った「脱・記者クラブ宣言」について話します。なぜこの宣言をしたかと言えば、1つは記者クラブに入るためには東京や大阪のメディアにまで伺い書を出さないといけなかったから。しかも、「新聞社系列以外の雑誌は入らなかった」、「政党や宗教団体の新聞はまかりならんと言っていた」、「部屋代も全て行政に出してもらっていた」と述べます。
もう1つは、首相会見の主催権が記者クラブにあること。「伝家の宝刀を使えないということはヘタレ」と断罪し、さらには「情報をくれるからって主催権を警察と検察にあげている」と非難。日本の報道の在り方に対し、「島国の象徴だと思う、それを変えないと」と話していました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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