放置された竹林が全国的に広がり、環境破壊につながる問題になっている。全国でも有数の広さの竹林があり、タケノコ生産量は全国トップの福岡県で、環境保護団体などが「SDGsバンブープロジェクト」を始めた。ラーメンの具などに使われる「メンマ」にして食べてもらうとともに、障害者が働く場にもして、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)に貢献しようとしている。
同県八女市郊外に、かつて牛舎だった木造の作業所がある。5月上旬、中尾圭詞さん(34)が障害者施設のメンバーらとメンマ作りにいそしんでいた。
市内各地の竹林から2メートルほどに育った幼竹を伐採。作業所に持ち帰って柔らかい部分を20~30センチほど切り出す。熱湯で約1時間煮込み、塩水に漬けて次々と保管箱に入れる。「塩抜きと味付けを加えて2カ月もすれば出荷できます」。約50キロの竹から約20キロのメンマができ、余った部分も肥料などに使えるという。
八女市出身の中尾さんは、もともとマッサージ店を営んでいた。転機は2012年の九州北部豪雨。ボランティアで3カ月にわたって被災地のがれきや土砂を撤去した。被災者と話すうち、「地元の資源を使ってまちおこしや環境改善に取り組みたい」と考えるようになった。復興支援イベントなどを手がけたが、一時的ではない息の長い活動をしたいと考えていた昨春、SDGsに取り組む環境団体「九州循環共生協議会」(代表理事=駄田井正・久留米大名誉教授)の事務局長を務める山村公人さん(54)と知り合った。
国連が掲げるSDGsには「森林の管理」のほか、「働きがいのある仕事」もあります。全国を見ると、竹林は1年に一つの市の面積分広がっています。
竹は成長力が旺盛で、手入れ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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