新型コロナウイルス感染拡大の影響で失業や収入減に見舞われる人が増えている。厚生労働省によると9月、コロナ禍関連の解雇や雇い止めは6万人を超えた。暮らしが立ち行かなくなった人の命をつなぐのが生活保護だ。だが受給への偏見などから申請をためらう人も多い。いざというときのために知っておきたい生活保護申請の要点を「生活保護支援九州・沖縄ネットワーク」の星野圭弁護士(福岡第一法律事務所)に聞いた。 【画像】生活保護費の仕組み 生活保護は主に食費や光熱費など日々の暮らしを支える「生活扶助」と家賃をまかなう「住宅扶助」などから成り、毎月支給される。対象は収入が生活扶助と住宅扶助の基準額に教育費、医療費などを合算した「最低生活費」以下の人。外国人でも永住者や日本人の配偶者は対象となる。
基準額は居住地や世帯の人数、年齢などで細かく定められている。収入がなければ最低生活費の全額、働いていても収入が下回ればその差額が支給される。医療や介護は原則無料。出産や葬儀の費用、小中学生の給食費も別途支給される。 申請先は居住地の福祉事務所。住所がない場合は居所に最も近い福祉事務所で申請できる。まず口頭で申請して、必要書類を後日提出することも可能。申請が受理されると、本人の収入や資産が調査され、原則14日、最長でも30日以内に受給の可否が決まる。
* 申請の際、窓口の担当職員から受給資格について誤った条件を提示され、申請を諦めたという人も多い。 生活保護法には受給の前提として、申請者の資産売却や親族による援助が見込めないことなどが定められている。だが状況に応じてさまざまな例外措置があり、受給可能となる場合が多い。星野さんは「知識や経験が浅い職員はしゃくし定規に申請を諦めさせようとしやすい」と指摘する。 窓口でトラブルになりがちなのはまず家族の援助だ。家族や親戚が健在でも受給できる。行政側は親族に金銭的援助が可能かどうか文書で照会するが、援助を強制することはできない。虐待やドメスティックバイオレンス(DV)を受けているなどの事情があれば照会そのものを差し止めることもできる。また、借金があっても受給できる。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース