関西電力の役員らが、高浜原発のある福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(3月に90歳で死去)から多額の金品を受領していたと同社が発表してから27日で1カ月。「原発マネー」をめぐる特異な状況が明らかになってきた。原発の存在が深く根を張るこの町で、人々はこの問題に何を思うのか。町を歩いて尋ねた。
午前7時前、JR若狭高浜駅前の大型スーパー駐車場。作業着姿の男性が数十人、次々に集まってくる。5台の専用バスに乗り込むと、約20分かけ、6キロほど離れた高浜原発へ向かう。町のあちこちで毎朝見られる通勤風景だ。
町の人口は約1万人。関電によると、高浜原発1~4号機の運転時、構内で約2千人が働く。このうち1基が定期検査(定検)に入ると、働く人は3千人に増える。現在は3号機が稼働中で、4号機が約4カ月間の定検中。さらに1、2号機が再稼働に向けた安全対策工事中で、通常より4千人多い計約6千人が働く。町外から働きに来た人が多い。
対策工事の下請け企業で働く40代の男性は半年前、四国から高浜へ来た。町中心部のホテルに連泊し、バスで原発へ通う。金品受領問題の話を振ると「現場でも別に話題にならない」と素っ気ない。「仕事がなくなるわけじゃないし。みんな生活がかかっているんで」
長期滞在する作業員らのために…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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