かつての開港地で国際都市だった北海道・函館。その歴史の証人ともいうべき建物の一つ、「旧ロシア領事館」が長い間、活用されないままになっている。なぜなのか。
坂を上りきる手前の
舞台は、函館山のふもとの西外れ。急な幸坂を上りきる手前にたたずむ。赤茶けたれんがを積んだ洋館のようでいて、玄関には唐破風がある。なんともいえない雰囲気を醸す1908(明治41)年築の2階建ての建物だ。
函館市が所有するが、この24年間、空き家になっている。
旧ロシア領事館がある船見地区は近場に観光名所が乏しく、函館ハリストス正教会、函館山ロープウェイなどが集まる元町地区からも歩けば20分ほどかかり、便が悪い。内覧できないこともあり、わざわざ幸坂を上って見学に来る人も多くはない。地元は少子高齢化が進み、空き家が増える。貴重な歴史的建造物の活用は、町のにぎわいにとっても課題になってきた。
ようやく事態が動いたのは今年に入ってからだ。
市が売却方針
函館市が、建物を民間に売却す…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル