町長9日目で震度7襲った原発の町 防災訓練「機能せず、想定甘い」

被災首長に聞く ~能登半島地震から1カ月~

 能登半島地震で最大震度7を記録した石川県志賀町。県内で唯一、原発が立地する町で陣頭指揮にあたったのは、就任からわずか9日目の稲岡健太郎町長(46)だった。

 ――前町長が汚職で辞任し、町議から町長に立候補し、初当選してまもなくの発災だった。

 発災時は自宅にいて、子どもや親戚たち20人ぐらいで書き初めをしていたときだった。すぐに役場に出た。こんな大災害を経験するのは、どの首長も初めての経験だと思うので、そこに戸惑いは感じなかった。

 ――目下の課題は。

 まずは断水の解消、住まいの確保、そして事業者を含めたなりわいの再建。水道は、上水は着実に通水が進んでいるが、下水は調査段階。農業集落排水もあるので、復旧に向け、てこ入れに取りかかっている。

 応急仮設住宅は200戸以上必要とみている。県と連携し、建設用地の確保を進めるが、候補地には観光地もあり、仮設を建てていいかという悩みもある。

 ――事業再建では、能登最大の工業団地「能登中核工業団地」(32社、約1千人雇用)がある。

 水を使う企業が多いので、全国から給水車に来てもらって対応したが、自助で対応しているところもある。企業が撤退にならないよう、対策を進める。

 ――災害ごみの対応を行う専門チームの立ち上げをいち早く示した。

 熊本地震で被災した益城町から助言があった。心配なのは、町全体の災害ごみ処理費を試算して頂いたら、町の年度予算(一般会計150億円前後)を超える約200億円と出た。財政面での支援を求めたい。

記事後半では、町に立地する原発について聞きました。

 ――トラブルが相次いだ北陸…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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