画家・野見山暁治さんが愛した故郷の色彩 「九州には九州の光が」

 伸びやかなタッチの作品を多く残した文化勲章受章者の洋画家・野見山暁治さんが22日、亡くなった。東京に拠点を置きつつ、故郷・福岡にもアトリエを構え、毎年夏には創作と海水浴を楽しむなど、ふるさとでの時間を晩年まで大切にした。

 フランス留学や東京芸術大で教鞭(きょうべん)に立つなど国内外で慌ただしくしていた野見山さんは、1971年ごろに同郷の女性と再婚。それを機に東京・練馬に居を構えた。76年には糸島にもう一つの「家」をつくった。

 福岡県穂波村(現・飯塚市)で生まれ育った野見山さん。絵描きとして戦っていかねばならない東京にはない、心の安息を故郷・福岡に求めていたのだろう。

 青い海と空がそばにある糸島のアトリエで描いた作品の多くは、明るい色彩に満ちた画面に。開放的な心情から絵筆は進み、リラックスした様子は画面にもそのまま反映された。

 「若い頃、パリに行った時に…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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