留学か出産か、女性だけ選ばされるのは 若手官僚らの声、制度動かす

 家族のあり方や働き方の変化で、出産や育児をめぐる環境も大きく変わっている。様々な理由や事情で、子どもを「産まない」「もたない」という選択をしても、「なぜ?」「まだ?」と聞かれることも。「産まない」という選択についてどう思うか、考えた。

 留学をあきらめるか、出産を先に延ばす、または産まないか――。留学中の出産を認めていなかった国家公務員の留学制度が先月見直された。国を動かしたのは、出産のために留学をあきらめたり、今後のキャリアプランに悩んだりする若手官僚らの声だった。

 人事院は2月22日、ツイッターで「産前・産後休暇を取得しても留学を続けられるようになりました」と発表した。留学は2年間で、入省10年未満が対象。留学中に妊娠した場合、留学をとりやめて帰国しなければならなかった。

 声を上げた一人が若手官僚らでつくる「新しい霞ケ関を創る若手の会(プロジェクトK)」副代表で、経済産業省ヘルスケア産業課の紺野春菜さん(32)だ。結婚3年目となる27歳の時に、留学に立候補した。

 ただ、当時の選考担当者から「制度上、留学が終わるまで出産できない」と言われ、心が揺れた。選考期間を含めると、留学が終われば31歳。少しでも早く留学したかったが、周囲から言われた「1、2年(出産が)遅れても問題ないでしょ」という言葉も、「留学前にササッと産んで連れて行けば?」という言葉も、悪意はないと分かりながらも違和感がぬぐえなかった。

 悩んだ末に留学はあきらめ、不妊治療を経て出産した。現在は育児休業中で、1歳と0歳の子を育てている。子どもはかわいいが、留学への心残りと、妊娠は認めないという女性にだけ課せられた制約への憤りは、くすぶり続けた。

 そんななか、2月上旬、若手…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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