全国86の国立大学を束ねる国立大学協会の会長に、筑波大の永田恭介学長が三たび選ばれた。電気代や物価高騰で厳しい経済状況が続くなか、国立大や日本の大学の現状をどのように分析し、今後どんなかじ取りをしていくのか。抱負を聞いた。(狩野浩平、編集委員・増谷文生)
――国内外の物価高騰などを受け、国大協は6月、文部科学省に異例の緊急要望を出した。
電力各社の値上げも認められ、大学は電気代の高騰に苦しめられている。昨年度は国立大全体で200億円支出が増えると予想されたが、今年度はさらに増えそうだ。大学によっては負担増は年数十億円となり、研究費などをしぼってしのぐ例もある。
――渡航費の高騰を受け、海外留学を諦める学生も出ている。
すべて自己負担で長期間の留学をするのは、多くの学生にとって難しい。近年、海外留学が減っているのは、学生の「内向き志向」以上に、お金の問題が大きいようだ。ようやくコロナ禍が落ち着いて、いざ留学しようとした学生が、出ばなをくじかれている。
そんなタイミングで、政府の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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