八女農高(福岡県八女市本町)の野中青空(そら)さん(3年)が、農業に関する知識を競う全国大会で日本一になった。「農業高生の甲子園」と呼ばれる日本学校農業クラブ全国大会で、ペーパーテスト形式で行う「農業鑑定競技」の畜産部門での快挙。朝や放課後を利用してこつこつと勉強してきた努力を結実させた。
大会は10月に福島県で行われた。畜産のテストは▽動物の品種や病気を見分ける選択問題▽動物の写真から体調を説明する記述問題▽製品代に占める飼料のコストなどを求める計算問題-で構成される。
動物看護師を目指す野中さんは、生物利用科の動物科学を専攻。より深く動物の生態や管理を学ぼうと、1年前から大会に向けた勉強を始めた。大会直前の9月からは毎日3時間以上、朝と夕方に自主学習して栄冠をつかみ取り、「積極性が身についた」と喜んだ。
授業では牛の飼育や調教をしている野中さん。「知識があると動物を見るポイントが増え、小さな異変にも気づくようになった」と話し、現在は来年の全国大会出場を目指す後輩たちに勉強を教えている。
指導する同校の白木友和教諭は「鑑定競技での優勝はおそらく本校で初めてだろう。先輩に続けと自主勉強に参加する生徒が増えるなど、よい影響が出ている」と快挙をたたえていた。 (丹村智子)
西日本新聞社
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