異例の制度ではあるが… 事件で「同じ」と批判され反発する若者たち

 衆院補選の応援演説で和歌山市内を訪れた岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件で、威力業務妨害の疑いで逮捕、送検された無職木村隆二容疑者(24)=兵庫県川西市=は、選挙制度への不満を繰り返し主張していた。年齢制限と高い供託金――。近年議論が盛んになっているテーマだけに、同様に制度改正を訴えてきた人たちが反発している。

 「同じ大人なのに、社会経験に基づく思慮が十分でないことを理由とした差別だ」

 木村容疑者は昨年6月、公職選挙法が定める参院の被選挙権(30歳以上)の年齢に満たないために立候補できず精神的苦痛を受けたとして、国に損害賠償を求めて神戸地裁に提訴した。

 立候補の際に、国や自治体に預ける供託金の制度も「財産や収入で差別してはならないと定めた憲法に反する」などと訴えていた。

世界の流れと異なる高額な供託金

 供託金は公選法で、衆参の選挙区や都道府県知事選は300万円などと定められている。得票が有効票の総数の10分の1など一定ラインを下回ると没収され、国や自治体のものになる。

 1925(大正14)年に英国にならって導入された制度で、候補者の妨害や遊び半分の立候補を防ぎ、選挙の経費を抑えるのが目的とされる。

 金額は物価の変動などに伴っ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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