異例続きの共通テスト、全日程終了 コロナ、事件、問題流出疑惑も

三浦淳 西晃奈

 大学入学共通テストは30日、追試験の2日目と再試験を終え、本試験を含めたすべての日程が終了した。今年は、新型コロナウイルスの感染拡大や刺傷事件、問題が流出したとされる事案など、異例続きの試験となった。

 追試験2日目は、理科と数学の試験があった。コロナの感染などで本試験(15、16日)を受けられなかった受験生が対象で、本試験とは別の問題を解いた。

 今年の共通テストでは、初日の15日、東京大学会場前で受験生ら3人が刺される事件が発生。2日目の16日はトンガ諸島での噴火に伴う津波警報の影響も出た。本試験後には、受験生が世界史の問題をスマートフォンで撮影し、外部に送ったとされる事案も発覚した。

 平均点も昨年と比べ、低下する見込みだ。数学Ⅰ・Aや生物など多くの科目で過去最低となる可能性があり、大学入試センターは2月7日に確定結果を発表する予定。国公立大の個別試験(2次試験)は前期が同25日から、後期が3月12日から実施される。(三浦淳)

津波警報で本試験中止 岩手・宮古の会場で再試験

 トンガ諸島での噴火に伴う津波警報の影響で、本試験2日目の16日の試験が中止された全国唯一の会場、岩手県立大学宮古短期大学部(宮古市)では、181人が30日の再試験(数学、理科)の対象となった。

 「数学Ⅱ・Bが難しかった。日程がずれ込んじゃったけど、国公立の本番までに調整したい」。同県山田町の馬場莞大(かんた)さん(18)は30日の再試験後、そう話した。16日は親に送ってもらい試験会場に着いたが、中止が決まり帰宅した。「夜中(16日未明)から朝まで警報が鳴りっぱなしで、『こんな中でやんの?』と不安しかなかった」

 同町の芳賀亮海さん(18)は「全部難しかった」。16日は会場に行くか悩んだといい、「怖かったので日程が移ったのは安心したけど、学校の期末試験と重なって忙しかった。普通の状況で受けたかった」。

 16日は避難指示が出たことを受け、公共交通機関が相次いで運休。同短大部は大学入試センターと協議し、午前9時に中止を発表した。試験の中止は同短大部ホームページに掲載したほか、受験生が通う高校に電話を通じて知らせた。約20人がすでに会場に来ていたが、館内放送で中止を知らせ、受験生たちは高校の送迎バスや保護者の車で帰ったという。(西晃奈)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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