なぜ病床は足りなくなったのか。この夏の新型コロナウイルス感染症の「第5波」で問題だった点や、改善すべきポイントについて、感染症の専門家や政治家、コロナ患者を診てきた医療従事者に聞きました。初回は、政府のコロナ対策分科会の会長を務める尾身茂氏です。
この夏、東京を中心に自宅まで患者があふれ、自宅で亡くなる人もいました。病床はかなり増えたけれど、変異株の影響もあり間に合わなかった。
日本の病院の大半を占める民間病院には国が直接指示をしにくく、協力を得るのに時間がかかった。地域全体で医療機関ごとの連携や役割分担をしておくことが重要でしたが、進まない所もあった。臨時の医療施設の開設も、もっとはやくすべきでした。
診療所の医師や訪問看護師の活用も大事です。普段から地域で話しあい、連携できている所ではやりやすい。でもそういう地域ばかりではなかった。
司令塔が見えにくい
司令塔が見えにくい問題もありました。地域医療は地方分権のもと、都道府県が一義的に責任を持ち、国が直接言えるようなシステムになっていません。しかし今回のような有事には、全体に関係することについては、国による大きな意思決定が必要になります。
平時と同じやり方のままでは…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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