政府の経済財政諮問会議が11日の会合で了承した「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太方針2019)の原案では、医療制度改革について、病床の転換などが着実に進むよう、入院基本料の見直しによる病床再編の効果などを検証し、「必要な対応を検討する」との方針を示した。これまで、民間議員が診療報酬を大胆に見直して病床機能の転換を進めるべきだと主張していたが、これよりも緩やかな書きぶりとなった。同会議は、次の会合で骨太方針2019をまとめる。【松村秀士】
原案によると、病床の転換などが着実に進むよう、急性期病床や療養病床に関わる入院基本料の見直しによる病床再編など、これまで進めてきた取り組みの効果やコストを検証した上で、必要な対応を検討するとの記載にとどめた。
5月31日の前回の会合では民間議員が、「加減算双方向での診療報酬の大胆な見直しによる病床機能の転換を進めるべき」だと提言していた。
原案ではまた、地域医療構想を実現させるため、全ての公立・公的な医療機関に関する具体的な対応方針が、25年までに達成すべき医療機能の再編や病床数の適正化に沿ったものとなるよう、「適切な基準」を新たに設定すると明記。その上で、原則として19年度中に対応方針の見直しを公立・公的医療機関に求めるとしている。
民間の医療機関についても、地域医療構想の実現に沿ったものとなるよう、対応方針の策定を改めて求めるとともに、地域医療構想調整会議での議論を促す。こうした取り組みを行っても病床の機能分化・連携が進まない場合は、20年度に実効性のある都道府県知事の権限の在り方を検討し、できるだけ早期に措置を講じる。さらに、地域医療構想の実現に向けて必要な場合には、消費税の財源を活用した病床のダウンサイジング支援の追加的な方策を講じるとしている。
このほか、高齢者医療確保法14条に基づく地域別の診療報酬の設定について、都道府県の判断に資する具体的な活用策の在り方を検討すると強調。オンラインでの服薬指導に関しては、実施の際の適切なルールを検討するとしている。
■調剤料などの技術料、「適正な評価に向けて検討」
調剤報酬については、20年度の診療報酬改定を見据え、地域での「かかりつけ」機能に応じた適切な評価や、対物業務から対人業務への構造的な転換の推進などを検討すると明記。その際、医療機関や薬局での調剤の実態や報酬体系を踏まえ、調剤料などの技術料について、「適正な評価に向けた検討を行う」としている。調剤報酬を巡っては、4月10日の会合で民間議員が「大胆な改革」を進めるべきだと主張していた。
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