国吉美香
那覇市の市立病院の敷地内で不発弾が見つかり、18日朝に発見現場で処理作業が行われる。病院では18日午前0時から、救急搬送を一時停止し、付近を通る沖縄都市モノレールも作業時間に合わせて一時全線運休となる。
那覇市によると、見つかった不発弾は76年前の太平洋戦争中のものとみられる米国製5インチの艦砲弾1発。6月に病棟近くの駐車場建設工事現場で作業員が発見した。信管付きで爆発の可能性があるため、陸上自衛隊が現場で処理をする。
避難対象区域は現場から半径88メートルで、入院患者ら約110人を含めた約210人が対象となっている。患者は病院の待合室などに待機するが、移動が困難な場合は病室の窓にベニヤ板をはって対処するという。
16日午前、病棟では処理に備えて作業員らが窓にベニヤ板を取り付けていた。外来で病院を訪れた男性(72)は「子どものころはよく畑で不発弾を見つけた。今も工事現場で見つかったというニュースはよくあるし驚きはしない。県外ではこんな風景はあまりないでしょうね」と話していた。
沖縄県史によると、太平洋戦争中、米軍が日本本土に投下した爆弾は計約16万トン、対して沖縄戦では約20万トンが使われた。今でも不発弾は沖縄で日常的に発見されており、県のまとめでは2020年度は14・4トンが処理されたが、なお約1900トンが残ると推計されている。
来月15日には、沖縄本島中部の西原町で不発弾処理のため、沖縄自動車道の西原インターチェンジ(IC)―那覇ICの上下線などが一時通行止めになる。(国吉美香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル