新型コロナウイルスワクチンを12歳以上の中学高校などの生徒に学校で集団接種することについて、文部科学省は22日、「現時点で推奨しない」とする通知を出した。子どもへのワクチン接種をどう考えればいいのか。接種する場合にはどんな注意が必要なのか。
12~15歳の接種で使われるワクチンは、現時点でファイザー社製。モデルナ社製、アストラゼネカ社製は対象外だ。16歳以上と同じで、1回0・3ミリリットルを計2回、通常は3週間の間隔で筋肉注射する。
ワクチンの効果や安全性についてのデータは大人に比べると少ないが、海外の治験では16歳以上と同等の発症予防効果が示されている。一方、特に2回目の接種後に強い痛み(79%)や疲労感(66%)、頭痛(65%)や悪寒(42%)などを訴える人が、こうした報告が多い16~25歳と同様の頻度で報告されている。10万人に2人程度と極めてまれだが、接種後に心臓の筋肉が炎症を起こす「心筋炎」の報告もある。
日本小児科学会は子どもへの感染源になりうる周囲の大人がまず接種を済ませることが重要としている。そのうえで、重い基礎疾患がある子どもへの接種は重症化予防の効果があると説明。健康な子どもの場合も重症化しやすい高齢者と同居していたり、極めてまれに子どもでも重症化したりする場合もあり、接種の意義はあるとしている。ただし、感染拡大を防ぐメリットと、副反応のデメリットを子ども本人と保護者が十分に理解し、接種前から後まで細やかな対応が必要、と強調している。
接種受けない意思の子へ「配慮を」
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル