発がん性含む疑いの消火剤、普天間周辺の住宅街に飛散

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)周辺の住宅街で11日、発がん性が疑われる有機フッ素化合物PFOSを含む泡消火剤が飛散しているのが確認された。10日夕に米軍から地元自治体に基地外に流出したと通報があったが、一夜明けても完全に除去できず、住民に不安が広がった。

 宜野湾市消防本部によると、11日午前7時50分ごろ、「川から泡が出ている」と住民から通報があった。現場では道路上などを舞う泡のかたまりが確認され、6時間以上かけてバケツですくうなどして除去したという。

 ただ、河川の泡は完全に取りのぞけず、周辺に飛散しないよう巡回を続けている。上流は基地内にあり、米軍関係者が除去作業にあたっているという。

 夕方になって河川を見に来た近くの40代女性は「きょうはお天気だったけど、こわくて洗濯物を干すのはやめた。まだ泡が残っているのを見てますます不安になった。自然にもどんな影響があるのか」と話した。

 沖縄県内では近年、米軍基地周辺でPFOSなどが高濃度で検出され、県は基地内への立ち入り調査を求めているが実現していない。県は10日、沖縄防衛局に対し、基地外の消火剤回収に加え、基地内にとどまっている消火剤も地下に浸透する可能性があるとして速やかな回収を要請した。

 11日には玉城デニー知事が「大変遺憾」との談話を出した。基地内への立ち入り調査も引き続き求めていく。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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